君がいた…
かなりの時間動き回っていた 宏史と俊樹。

とうとう力つき

ゴールの前に倒れこむように座った。

「なまってねーな。」

あらい息遣いでそう言う俊樹に

「当たり前だろ?」

同じように

あらい息遣いで答える宏史。

一呼吸間をおき

ゲラゲラと笑いだす2人を

部員達は、呆気にとられながら見つつも

どこか 心が温まる感じがしていた―

『沢渡くんって、あんなに無邪気に笑えるんだ…』

舞は

皆とは違う気持ちで宏史を見ていたようだ…

俊樹が作った“きっかけ”により

ぎこちないながらも

部に溶け込む事ができた宏史。

隣のクラスで、俊樹とも仲の良かった

成二と功

この2人とも

くだけた話しができるほど仲良くなれた…

もちろん舞もだが…

宏史は、舞のほのかな想いには

全く気付いていなかった…
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