君がいた…
功の言葉のすぐ後に

体育館の隣にある小さな建物から 小太りな男性が勢いよく飛び出して来た。

この学校の先生であろうその男性は

生徒や保護者達をかきわけ 真っ直ぐに

あの 桜の木に向かっていった。

「ほらな 」

その男性が走って行くのを指差しながら 功が言う。

「どうなるの?」

功を見上げながら 舞が不安そうな顔で聞く

「…まあ とりあえず注意だけなんじゃない?」

「そう」

功の答えに 何故かほっとした舞

「でも すぐに元に戻さないだろ?あんなタイプって」

成二が桜の木の方を見て言う。

「だろうな。」

「だったら もっとヤバくなるんじゃない?」

「間違いなく なるね」

二人の間で その会話を聞いていた舞は

心配そうな顔で男子生徒を見つめていた。
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