君がいた…
「舞…調子乗るから やめて…」

そう言った俊樹の頭を
軽く叩いた母は

「どうぞ 上がってください。」

明らかに嬉しそうに皆を招いた

その時―

「なに?どうしたの?」

俊樹の左頬が赤い事に気付いた母は

少し眉間にシワをよせた

舞達は

宏史が殴ったものだと分かれば

すぐにでも 宏史の所へ行き

抗議するのではないかと…心配したのだが…

「宏史だよ。」

俊樹は ためらわずに名前を出した

そして

「亜紀の事言ったら
殴られた…」

「ばかね!まだ 早いわよ!」

呆れた顔で 逆に俊樹をしかっている

「で…みんなに話を聞いてもらう為に 呼んだのね?」

俊樹の思惑は 見抜かれたらしい…

ばつの悪そうな俊樹の背中を

バン!

と 音がするほど叩き

「後でシップと飲み物持って行くから、上に行きなさいな。」

そう 言って

皆を2階へと促した。
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