君がいた…
しばらくして

おぼんを片手に俊樹が戻ってきた。

左頬にはシップが貼られている。

皆に ジュースの入ったグラスを配り終えると

空いている場所に座り

小さくため息をはいた

皆は
いつ 話しが始まってもいいように

俊樹を見ている

「なにから話せばいいんだろ…」

弱々しい声で呟く俊樹

「なんでもいいよ。」

舞が

うつ向いてしまった俊樹の顔を覗き込み

優しく言った。

それに答えるように

俊樹は 力なく微笑み

「あいつの…
生い立ちからかな…」

と 寂しそうに呟いた。

4人は

『生い立ち?』

と 思いながらも

話を聞く体勢になった。

「宏史が…あんなになった理由…
一辺に いろんな事がありすぎたからなんだ…。
その理由の一つが
“生い立ち”」

そう言うと

俊樹は 静かに語り出した。
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