君がいた…
「宏史の何かが変わるの?」

真っ直ぐ宏史の目を見つめて

そう 問う亜紀

「俺…は…」

答えようとする宏史だが…

上手く答えられない

「宏史の気持ち一つだと思うよ?」

「俺の…気持ち…?」

亜紀の言う意味が理解できないのか

聞き返す宏史。

そんな宏史に

優しく語りかける亜紀

「そうよ。
おじさんやおばさんだって、宏史の事
“預かった”なんて思ってないんでしょ?」

「は?」

まだ 理解できない宏史…

「本当の子供として育てたいから
“養子にほしい”って言ったんじゃないの?」

その話しに

やっと理解できた宏史は

はっとした顔をした

「すごい事だと思うな…」

そう言うと亜紀は

やわらかな笑顔を宏史に向け

話しを続けた。

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