君がいた…
「体の弱い他人の子を、自分達の子供として育てるって…
ものすごい責任じゃない?」

宏史は何か思い出したのか…

少しばつの悪そうな顔で…

「他人じゃないんだ…」

と 呟いた。

俊樹と亜紀は

お互いの顔を見ながら
首を傾けた。

「本当の両親は…
母さんの…兄さん夫婦なんだ…
だから 他人じゃない。」

また落ち込む宏史に

「だったら なにも問題ないじゃない。」

先程よりとびきりの笑顔で言う亜紀に

「なにが?」

宏史が聞き返す。

「なんの繋がりもないわけじゃない。

今まで たくさんの愛情をそそいでくれた。

本当の親子じゃないっていうのは、戸籍上だけ。」

亜紀は、そこまで 一気に言うと

また 宏史の目を真っ直ぐ見つめて

「後は…宏史の気持ち次第。」

そう言って にっこり笑った。
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