君がいた…

「私も 半年前に
亜紀さんのお葬式に行ったのよ…。」

舞の頭の中に

半年前の美星の姿が思い出された。

『そういえば…
後輩の妹が 事故で亡くなったって…』

舞をよそに

話を続ける美星

「俊樹くんの話を聞いて
思い出して…
お母様とか どうなったか気になっちゃってね…」

苦笑いを浮かべる美星

「倉沢くんも気になってたみたい…
宏史くんの事…」

そう言って

部室に目を移した美星は

「今の宏史くんの状態を話したらね。
すぐに 会いに行きたいって言ってたの…
昨日なのに…
ほんと…すぐに来てくれたのね。」

目を細めて言った。

「なにしに来たの？」

舞の質問に

美星は

「亜紀さんの…
最後の言葉を伝えに…」

そう言って

また 優しく微笑んだ。