君がいた…
一方―

部室では 

長いテーブルをはさみ

宏史と倉沢は

向き合った形で座っていた。

「美星さんから聞いた。」

重い空気の中…

倉沢が口を開いた。

「罰ってなんだよ…
罪ってなんなんだよ?」

宏史を見て 静かに言う倉沢。

宏史は

うつ向いたまま

顔をあげようとしない。

「うちの母親が言った事が原因なら…
それは…
俺らの方が お前に謝らなきゃいけない…。」

そう言い

倉沢は深いため息をはくと

「いや…謝って すむことじゃないな…。」

頭をかかえ

宏史から目を反らした。

「違う…」

やっと 宏史が口を開いた…

「俺の…せいだから…間違ってないから…」

弱々しく言う宏史に

倉沢は

「事故なんだぞ!?
お前だって 危なかったんだ!」

声を張り上げた。
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