君がいた…
「髪とピアスは…
そのままなの?」

ずっと…

気になっていた事を

やっと 聞けた舞。

「あー…」

その質問に

宏史は

少し間をおき

「忘れちゃいけねーだろ?」

と答えた。

「え?」

舞には

その一言では 理解できなかった…。

「大切な人を守る事ができなかった…。
もう…そんな事したくねーし…。」

宏史は

そう言い

少し寂し気に笑うと

「同じ過ちを繰り返さねぇ。
これは その証。」

髪を指差し

今度はにっこり笑った宏史。

そして

また

窓の外に目を向けた。

『今…好きって
言いたい…』

宏史を見つめながら

口から心臓が飛び出しそうなほど

ドキドキしながら

思う舞。

気持を固め

宏史に

もう一度声をかけようと

口を開いた

その時…
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