君がいた…
「こういう事は
早くすっきりしてぇんだ。」

舞の皮肉を受け止めながら

優しく切り返す宏史。

「分かったよ。

ちょっと待っててね。」

クスクス笑いながら

保留にし

美星の部屋の内線を押した。

「なに?」

内線に出た美星に

「宏史から電話だよ。」



いたずらっぽく告げた舞。

「えっ!?
なんで!?」

素直な驚き方に

舞は

「さあね~
とにかく でてよ。」

意味ありげな言いまわしでそう言うと

受話器を置いた。

『落ち着け!私!

大丈夫。
相手はお姉ちゃんだから…
いい子になんなきゃ…』

心の中で

何度も

呪文のように唱えながら

最後に

大きく深呼吸をし

「よし!」

そう言って

両手で

自分の頬を2回叩き

舞は

2階の自分の部屋へ行くため

階段の手すりに手をかけた。
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