君がいた…
「俺 携帯…。
真下にいるんだけど…。」

そう言われ

下を見る美星…

「あ…」

そこには

白いバイクにまたがり

携帯を片手に

美星を見上げている 宏史の姿があった。

「美星さんに
伝えたい事があるんだ…。」

優しい笑顔で

美星を見つめて言う宏史…

美星は

子機を耳にあてたまま

そんな宏史を見つめている…


「おりて来てほしいんだけど…」

宏史を見つめたまま
何も語らない美星に

少々

呆れ気味に宏史が言うと

「あっ…ああぁぁ
ご ごめんなさい!
すぐ 行く!」

美星は

慌てて窓から離れたが…

「電話 置いてからね」

耳にあてたままの子機から

笑いまじりの宏史の声が聞こえた。

「あ…
はい…」

真っ赤になってそう言うと

美星は

電話を切り

充電器にさすと

慌てたまま 部屋を出た。
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