君がいた…
舞が部屋に入ると同時に

美星が部屋をバタバタと出て行った。

舞は

部屋のドアにもたれ

『あ~あ…
告白する前に失恋かあ…』

深いため息をはくと

開けっぱなしにしている窓を閉めるため

窓に近づいた。


窓に手をかけた時―

下から

「おまたせ。」



明るい 美星の声が聞こえた。

舞は

つい そのまま2人の会話を聞いてしまう…

「なに?
伝えたいことって。」

美星の問いに

宏史は

ゆっくりとバイクを降り

美星と向かい合った。

「大事な人を亡くしたばっかなのに…
なに言ってんだ、こいつって思われてもしょうがねぇけど…。」

「え?」

真剣な眼差しで言う宏史の話を

美星は

まだ よく分かっていない…

「でも…
初めて会った時から
美星さんが 気になってしょうがなかったんだ…。」

その告白に

美星は

一瞬にして 真っ赤になった。
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