君がいた…
「舞が 宏史のこと
好きだっての…
気づいてたよ。」

その

俊樹の言葉に

明らかに動揺している舞は

「だって…
しょうがないじゃない…
宏史は お姉ちゃんを選んだもん…。」

一生懸命 笑顔をつくり

俊樹の視線から逃れるように 後ろを向く。

「一番 近いところにいて、辛くないのか?」

俊樹の攻撃は

止まらない…

舞は

また 無言だ…

「学校で宏史に会って
家では、美星さんがいる…
そんな状況
耐えられるのか?」


「耐えられないわよ!辛いわよ!」

叫びながら振り向いた舞の目からは

大粒の涙がこぼれていた…

「それでも 耐えなきゃ…
お姉ちゃん傷つけたくないし!
宏史を困らせたくない!
諦めるしかないじゃない!!」

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