君がいた…
「ちょい 見に行かね?」

成二が興味津々の笑顔で言う。

「うん。行く!」

舞も乗り気だ。

「いいよ。面倒くさい。」

…と 一人乗り気ではない功を置き去りにし

舞と成二は隣のクラスを覗きに行った。

かなりの人垣ができている為、隙間から覗く。

『あ…』

舞の目に見えた 金色の髪…

『ピアスの人だ…』

教室の窓際の一番後ろの席に

宏史が机に突っ伏した状態で寝ていた。

「なに?あいつが居るから、入んねーの?」

成二が舞の耳元でささやく。

「そう…なの?」

舞も小さな声で答えたが

目は宏史を見たままだ。
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