二重人格弟に溺愛中


心が痛い


たまに見せる圭の冷たい顔


あたしはそれが苦手で
いつか彼女をつくってあたしには
そんな顔を見せるんじゃないかって思うの。


怖くて、怖くて...


悲しくなる


「..かり?....紅莉?」


「ふぇ?」


「大丈夫?」


「うん...
じゃあ案内するね?」


「うん」


京野陸は隣に並んであたしと同じ歩幅で
歩き出した



廊下にいた女の子は皆振り返って
頬を赤く染めている


きっと周りからみたら
すっごいカッコイイんだよね


でもあたしは何とも思わない


例えどんなにカッコ良くても
あたしの中には圭しかいないから



「ここは、理科室...
あたし達は3階の理科室を使うんだよ」


「へぇ〜
1こだけじゃないんだ」


「うん、クラスが多いから
1こた足りないの」
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