二重人格弟に溺愛中



中に入り、指定された席に座った


「本当に兄妹とかの間で
恋愛ってあるのかな?」



「さぁ...
好きになっちゃったら
しょうがないんじゃない?」



まるで自分に言い聞かせている言葉みたい


でもそれを悟られたくないから
できるだけ明るく言った


ここで京野陸に気付かれたくない


「そういうもんなのか〜
紅莉はどうなの?」


「な、何が?」


「あんだけ一緒にいれば
好きになっちゃわないの?」


答えに困る


すごく困るよ


もちろん
「好きにならない」
と言わなくちゃいけないけど....



あたしにはそれが出来なかった



「.....好き....だよ....」



それだけがずっと言いたかった言葉


自分に嘘をつかずに
堂々と圭が好きと言いたかった


周りから軽蔑されても
避けられようとも....

好きなの

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