二重人格弟に溺愛中
「200m走見ててね?」
「もちろん!!
圭しか視界に入らないよ」
あたしは別に変なこと言ってないのに
圭はあたしの目を塞いだ
「な、なに!?」
「紅莉が悪いんだからな?」
「あたしぃ!?」
何もしてないのに....
目を塞がれているから圭の表情が分からない
怒っているの?
「圭?」
すると.......
「バーカ」
その言葉と同時に何かが唇に触れた
あまりにも一瞬だったから
あたしは驚く様子もなく
ただ立ち尽くしているだけ
そして、視界が広がり
圭の真っ赤な顔が見えた
「俺を照れさせた罰」
そう言って
自分の唇に指を当てた
あたしは火がついたように恥ずかしくなって
さっき触れたものは圭の唇だと
気付かされた