二重人格弟に溺愛中




「俺は、好きな人を独占したいよ。


でもさ、その人気付いてないんだ。」



真っ直ぐ紅莉の瞳を見つめて言う。



紅莉に向かって言ってるんだよ。



それなのにさ、
なんでまたそんな哀しい顔すんだよ。




「好きな人…いるんだ…」


いつもよりも小さくて震える声



「まぁね…


ずっと片想いだけどさ…」



「そっか…


あ、あたしお風呂入れてくる!」


そう言ってテ―ブルから離れ、風呂場に消えて行った



紅莉…


俺、変な事言った?



俺は気付いてなかった。


この時紅莉が泣いていたことを……


俺は、それを知らずに暢気にスパゲティを食べていた



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