二重人格弟に溺愛中
「総合優勝おめでと!!」
そんな笑顔で言われると、なんだか申し訳なく思えてくる。
「暗い顔しないで?
紅莉が俺を心の中で応援してたこと知ってるから!」
「圭……」
「景品良いのだといいね!」
「そ、そうだね!」
実はもう知ってます。
だなんて言えないよ
だって言ってしまったら
太陽の告白を思い出してしまうから…
「紅莉、紅莉」
「ん?」
圭が手招きするから
近寄ると…
耳元で…
「夜は覚悟しといてね?」
そう囁かれた…
「っ/////
なっ…何を!!」
「帰ってからのお楽しみでしょ」
あたしの中に流れる血液が一気に逆流を始める
圭に囁かれただけなのに
全身の力が抜ける感覚に陥ってしまう…
あたし、どんだけ圭に弱いんだろう…
自分に渇を入れても
圭に見つめられたら
そんなの一瞬にして消えていく。
「どうしたの?紅莉」
もうだめだ…
名前を呼ばれるだけで
あたしの心はぐらぐらと崩れ始める
「保健室、行く?」
―――ゲームオーバー
気づけばあたしは無意識に頷いていた…