二重人格弟に溺愛中


「じゃあ奈美ちゃん、
ちょっと借りるね?」


「バレないようにね」


「了解。」


奈美はあっさり承諾して
あたしは圭に連れられて保健室に向かってる



ドキン…ドキン…


不定期な心音は鳴り止まずより加速してゆく


少し陽に焼けた肌


頑張った証拠だよね


きっと今のあたしは
口角緩んでるよね…



「紅莉…」


「は、はい!!」


「何か隠してない?」


「えっ…」


もしかして…
告白の事?


だとしたら、言うべき?


「あ、のね」


あたしは意を決して圭に話そうとした


でも…



「紅莉~~」


「た、太陽」


なんともバットタイミングで登場した太陽


あたし達の間に微妙な空気が漂う


どうにかしないとって思うのに、声が出ない


「って、何してんの?
二人揃って」



おまけに質問してくるし…

「け、圭が怪我したから保健室まで連れて行こうかなぁ…って。」


「でも先生全員校庭にいるけど」


そんな所まで突っ込んでこなくていいのに~


あたしは言葉を探すけど
こういう時に限って中々出てこないんだよね。
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