二重人格弟に溺愛中

「治療くらい先生なしで出来ますよ」


突然降ってきた言葉

「あっ、そうだよな!
紅莉も一応女だしな」



なっ…

一応って。

失礼じゃない!?


「あたしは完全な女ですけど!!


そんなあたしに告白してきたのはどこの誰でしょうかね!!」



「……告白?」


「あっ……」


馬鹿したぁ…


なんでこんな事言っちゃったんだろう。


圭の言葉に自分の言ってしまった"告白"というﾜ-ﾄﾞに後悔する。



「まぁ、いいや。
そんな紅莉も好きだし。


っていう訳だから圭。」



「何がですか?」



「そろそろ姉離れしてくれない?」


もうこれ以上は何も言わないで


あたしと圭の邪魔しないで…


「嫌です。」


その言葉にあたしの心臓は跳ねた


圭…


太陽に言うの?


あたしと圭の事



ここで言ってしまえば
全て楽だったかもしれない


でも、あたしと圭の関係が他の人に知られるの嫌だったんだ。


だから……


「た、太陽!クラス景品発表もうすぐだよ!!

代表だから取りに行かないと!」


「あっ、そうだった…

じゃあ行くわ!!」


さっきまでのピリピリとした空気は崩れていった


太陽は校庭の方へと走って行った