二重人格弟に溺愛中
「相変わらず仲良いな…」
「そう…かな…」
しばらく沈黙が続く
お互い何も言わずに
ただ、その場に立ち尽くすだけ
何て言ったらいいのか分からず
中々言葉が出ない
「あの…ね」
先に口を開いたのは紅莉
「何?」
俺はドキドキと心臓が脈打つのを感じながら、紅莉の事を真っ直ぐ見た
「あたし…ね…」
途切れながらも言葉を絞り出す紅莉
嫌な予感がしたんだ
こんな雰囲気だから余計そう思ったのかもね
「あたし…
圭と付き合ってるの。」
あぁ……
予感は的中
まさか紅莉から言われるなんて思わなかった
心臓を刃物で刺された気分
頭ん中真っ白になって
全身の力が抜けてく…