二重人格弟に溺愛中
「だってっ……うぅ~」
泣くなよ
抱き締めたくなる
それに俺だって泣きたいさ…
「たい…ようはっ…
あたしの…男友達って…
今まで思ってたからっ…」
瞳から零れる涙を指で救い
頭を撫でた
「これからもだろ?」
俺どんな顔してっかな…
紅莉を不安にさせてないよな?
「気持ちに…応えられなくて…ゴメンね…」
失恋って痛い……
チクチクなんてもんじゃない
ズキズキするよ…
それで、紅莉を忘れられるんならまだマシ
「学校で会ったら…いつものように話してくれる?」
「おぅ。
当たり前だろ?
だから気にすんな!
じゃあ…俺行くわ!
達待たせてるからさ…」
「うん…バイバイ…」
俺は紅莉に背を向けた
静かに…
俺の告白が紅莉の心に残ってますように…と思いながら…
「お疲れ…」
「ゴッツ…」
「悪いな…全部聞いてた」