二重人格弟に溺愛中
全ての事から逃げるように
あたしは部屋に入った。
―罪悪感―
その言葉がずっと木霊している
やっぱりいけない恋なんだろうか…
あたし自身が感じているから
きっと圭も……
そう思うと涙を抑えることが出来なかった
でも、だからと言って
「サヨナラ」
を告げる勇気なんてあたしにはない
道徳に背くことなんて
この恋が始まった時から
分かっていたのに…
色んな壁にぶつかることもわかっていた。
ポタポタと床をあたしの涙が濡らす
お父さんとお母さんを裏切るなんて出来ない
でも、圭が好き
曖昧な考えなんて
無駄
どっちかを選ばないといけないんだ…
必ず……
コンコンッ…
「紅莉…」
愛しい人の声