二重人格弟に溺愛中



コンコンッ…


「紅莉…」


紅莉はドアを開けてくれるだろうか…


俺はそれが心配で仕方がない



応答が無い代わりに
ドアが少しだけ開いた



俺が入ってもいいって事?



頭よりも先に体が動いていて
俺は紅莉の部屋に入った



電気も付けず
紅莉は部屋の真ん中に座っていた


「けい…あたし…たち

どうしたらいいんだろ…」


紅莉の震える声から
どれ程悩んでいるのか分かった



どっちも選べないから
辛いんだ


「紅莉…おいで…」


ごめん…


今は抱きしめることしかできない

俺もどうしたらいいのか分からないんだ


これは、京野先輩の時よりも
太陽先輩の時よりも難しいよ



時間が必要だ


紅莉は俺の腕の中にスッポリとおさまった


紅莉の心音が聴こえる


心地良いな…
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