二重人格弟に溺愛中
「下行ってカレー食べよう?」
父さんや母さんに顔を合わせるのはまだ辛いかもしれない
でも、前に進まないといけないんだ
「…でも…」
「変に怪しまれるよ?
それでも紅莉はいいの?」
こんな事聞いたら答えは決まってる。
でも、俺達の為だ…
「やだ…」
「でしょ?ほら行こう?」
渋々頷いてくれたから
俺は紅莉の手を取り
部屋のドアを開けた
下からは楽しそうに会話をする
父さんと母さんの声が聴こえる
平然にしとけば大丈夫
「明るくいこう?」
俺の心は淀んで歪んで
真っ黒だけど…
明るくいかないとね
「うん…!!」
紅莉もそれを分かったのか
作り笑いをしてくれた
ゆっくりと階段を降りる
一段一段降りる度に
重くなる足
それでも降り続けなきゃ…