二重人格弟に溺愛中
俺はそんな父さんの態度に
少し笑みを溢して
父さんに近寄った
「これはな、向こうで有名な
アンティークなんだ!!
これを見てたらな?
圭の小さい頃が思い浮かんできてな…
即購入したんだ」
目尻にシワを作って
愛しそうな表情をしながら
話す父さん
そのアンティークは……
「天使?」
「あぁ。
しかも二人いるだろ?
それは紅莉と圭なんだよ?
二人の天使はお互いの手をとって優しく笑っているんだ…
お前たちにそっくりだと
思ったんだ………」
天使……
アンティークの天使は
本当にお互いを敬い慈しみあっているように見えた
幸せな感情を感じた半分
眩しく逸らしてしまいたくなるもなる
「どうだ?そっくりだろ?」
父さん…
俺は天使なんかじゃない
悪魔なんだ。