二重人格弟に溺愛中
「そうだね…
本当に羨ましいなぁ…」
「ん?何か言ったか?」
「あっ、何でもないよ」
危ないな。俺
本音が飛び出して自分自身にヒヤヒヤする
羨ましい
だってあの天使は家族愛だろ?
俺達は違うんだ
地に堕ちたダテンシ
何の汚れもなかった紅莉を
真っ暗な世界に引きづり込んでしまったんだから……
「でも、天使は全てが綺麗ってわけじゃないんだよな?」
「えっ?」
「天使だって生きてるんだ。
誰かを愛し、憎み、敬い
そして死を恐れる。
そんな単純な感情があるから
人間は憧れるんだ…」
そっか……
父さんの言葉に少し身が軽くなった気がした
「父さん…俺は父さんの子供でいていいんだよね?」