二重人格弟に溺愛中


「でも……っ…」


父さんは涙を堪えきれず
手で顔を隠して肩を震わせた


その後には何があったんだろう…

「父さん…大丈夫?」



「あ、あぁ…悪いな…
ちょっと思い出してな…



事故だったんだ…

章吾達が死んだ原因は…」


そっか…父さんにとって
親友を亡くしたを話すのは勇気がいるものなんだ



たとえ時がどんなに過ぎても
傷を癒すことなんて
難しいんだ………



「圭の誕生日…

章吾達はプレゼントを買いに
2人で車に乗って買いに行ったんだ。

プレゼントを買って家に帰る途中……

信号無視をしたトラックに
正面衝突されて……


命を落としたんだ…………」



深い、深い沈黙


父さんはそこで話を一先ず終わらせた。


理由を聞かなくても分かる


父さんも辛いから…


「章吾の両親は…既に縁を切っているからといって、葬式に出席もしなかったんだ…

俺は理解出来なかったよ。
自分の息子の葬式にも出ないで
知らんぷりしているの見てな…」
< 281 / 338 >

この作品をシェア

pagetop