二重人格弟に溺愛中
「でも……っ…」
父さんは涙を堪えきれず
手で顔を隠して肩を震わせた
その後には何があったんだろう…
「父さん…大丈夫?」
「あ、あぁ…悪いな…
ちょっと思い出してな…
事故だったんだ…
章吾達が死んだ原因は…」
そっか…父さんにとって
親友を亡くしたを話すのは勇気がいるものなんだ
たとえ時がどんなに過ぎても
傷を癒すことなんて
難しいんだ………
「圭の誕生日…
章吾達はプレゼントを買いに
2人で車に乗って買いに行ったんだ。
プレゼントを買って家に帰る途中……
信号無視をしたトラックに
正面衝突されて……
命を落としたんだ…………」
深い、深い沈黙
父さんはそこで話を一先ず終わらせた。
理由を聞かなくても分かる
父さんも辛いから…
「章吾の両親は…既に縁を切っているからといって、葬式に出席もしなかったんだ…
俺は理解出来なかったよ。
自分の息子の葬式にも出ないで
知らんぷりしているの見てな…」