二重人格弟に溺愛中


確かに今は家族だけど
本当は血が繋がってないんだよ?


だから、お願い



許してよ?



「本気で言ってるのか?」



父さんの声が震え出した


きっと予想外の反応だったんだろう…



「本気だよ。
俺は紅莉が好きなんだ。
今まで言えなかった…
いや、言っちゃいけなかった…

でも、もう無理だよ。

俺、隠し通すなんて出来ない」



意外と怖くなかった


自分の気持ちを言うことが


別に最初から言う言葉を考えてたわけでもない


自然と出てきたんだ



さぁ、どんな返事を聞かせてくれるの?




「俺は今まで、圭を本当の息子として育ててきた。
血なんて関係ない。


どれだけ愛してるのかが家族になる方法なんだ。


お前は俺の自慢の息子


それじゃ駄目か?」

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