二重人格弟に溺愛中
父さんは優しいよ
道徳に背いた俺にまだ
後戻りできる選択肢を与えてくれてるんだ。
でも、俺の決心は変わらないんだ
「父さん、俺は父さんも母さんも好きだよ?
でも、紅莉は特別なんだ
一人の人間として好きなんだ
俺は紅莉を好きでいちゃ駄目?」
「圭……本気なんだな?」
「うん…」
「本当に章吾にそっくりだな…
一度決めたことは曲げないところ、
強い眼差し
一人の女性を一途に愛するところ。
いつの間にそんなに大人になったんだろうな…」
「まだ子供だよ…
自分じゃ大人になったって気づかないよ」
「父さんは甘いのかな…
息子が娘に恋してるって知って
不謹慎だけど、少しだけ嬉しいと思ってるのは…」
「えっ?」