二重人格弟に溺愛中
「ただいま~」
「おかえり~」
お母さんの軽やかな声にお父さんも軽やかな返事をする
変わってないなぁ…
なんてしみじみ思いながら
あたしも挨拶した
「お父さんただいま~」
「紅莉~!!」
お父さんは振り向いた瞬間
全速力で走ってきて
あたしに抱きついた
全然変わってないじゃない…
「父さんただいま」
あたしが被害を受けているっていうのに、圭はそれを助けず、暢気に挨拶してる
少しくらい助けてくれたっていいのに……
「お父さん…離して…」
「あ、あぁ…
またやってしまった…」
お父さんに抱きしめられる度に
どうしてそんなに腕力があるの?
って聞きたくなる
「まぁとにかく、二人共座りなさい」