治樹と未来
だけどそんなはずないよね。

だってマイは彼氏がいるんだし。

【とりあえずもう二度と美喜に近づかないで】

それだけ言って私は家へ帰った。

家に帰る途中、家に着いてからも、マイのことがやけにひっかかった。

私が美喜の事を話した時、珍しく何も言わなかったマイ。

マイの事疑ってるわけじゃないけど、
このもやつきをどうにかしたくて・・・

その夜マイに電話をかけてみた。

【マイって彼氏一筋だよね?】

【当たり前じゃん!どうしたのいきなり?】

それを聞いて安心した。

それどころか一瞬でもマイを疑ってしまった自分に罪悪感を感じた。

そして私は八重歯男との会話をマイに説明した。

するとマイは一瞬止まり、そしてこう言った。

【今時、好きじゃない人と体の関係持つぐらいみんなやってるよ。
彼氏がいてもその状況で流される事だってあるし、
その時が楽しかったらいいんじゃないかな】

マイからそんな言葉が出るなんて・・・

【だけどマイは彼氏がいて一筋で、他の男と体の関係なんてもった事ないでしょ?】

【あるよ】

知らなかった。いつも一緒にいたのにそんな事何も知らなかった。

相手は、あの八重歯男だった。

言葉を失った。考えられない。

その日からマイを見る目が少し変わってしまった。

もちろんこんな事、美喜には絶対話せない。
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