治樹と未来
その時、

【君、彼の家まで少し様子を見てきてくれるかな?】

はぁ!?

教授の言葉に耳を疑った。

何であたしが。

ありえない。

あんな男の家に行ったら何されるかわかんないよ。

だけど教授を断るほどの勇気のない私は

【分かりました】

・・・とは言っても、私家知らないし!!!

【彼の家、知らないんです。なので他の人に頼んだ方が…】

すると教授はプリントの裏に何かを書き始めた。

迷路のような・・・

違う。 地図だ。

そして私は結局、彼の家まで行くことになってしまった。

教授の書いた細かい地図を見ながら、

たどり着いた場所は小さなアパートだった。

2階・・・ 右側・・・ 

ここだ。

見つけたけど、やっぱり勇気がない。

大嫌いなのに、何でこんなに緊張してるの?

それより、何で私は今ここにいるんだよぉ・・

こんな事なら雨にぬれて帰った方がよかったよ。

あーやだな。本当に。

3分ぐらい経って、やっと心の準備ができた。

コンコンコン・・・

コンコンコン・・・

何度扉をノックしても返事がない。

なんだ、学校サボって遊びに行ってるだけじゃん。

いろんな意味で緊張がほぐれ、傘を扉ノブにかけ、帰ろうとした。

すると、

バタン!!!!

扉の向こうで何かが倒れる音がした。

えっ?

ドアノブを回すと、鍵はかかってない状態だった。

恐る恐る中に入ってみると、

目の前で八重歯男が倒れていた。

えっどうしたの!?
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