治樹と未来
小さな声で彼がそうつぶやいた。

私は胸の鼓動を抑えることができなかった。

大嫌い。

大嫌いなはずなのに、なぜかドキドキしてる。

だけど彼は病人。

目の前で苦しんでる人を放っておくほど私も悪い人間じゃない。

明日は授業ないし、今日は看病するか。

自分の中で無理にそう思わせようとしていた。

だけどこの事が私の今後の人生を大きく変える事になるとは、

私はまだ気づいていなかった。

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