運命
橋を渡ると人込みの中、一人が目に留まった。
・・・・うっそ、佐々木じゃん!
何で一人?
疑問が浮かんだけど嬉しさの余り走りだす。
「佐々木・・・・佐々木!」
「・・・・な・・かの?」
興奮してる俺は、その弱々しい声に気付かなかった。
「やっぱ佐々木だぁ。
遠くから見て絶対そうだと思っ・・・・って、え!?
佐々木泣いてたの!?」
振り向いた佐々木の目は真っ赤に染まり、頬を濡らしてる。
え、何?なんで?
焦りまくる俺に、佐々木は悲しい笑みを零した。
「あはっ・・・振られちゃった!」
「・・・・え?」
振られた・・・・?
誰に・・・?
嘘だろ?
好きな奴、いたのかよ・・・。
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