運命
一面
ーーー日曜日。
俺は公園の前に来ていた。
この公園は、結構離れた映画館の前にある公園で、
アンティークかつ、ロマンチックだと有名。
つーか、ここは公園なのか?!
床はレンガ状のアスファルト。
噴水に白いベンチ。
完璧に公園の域を越えてんな、こりゃ。
俺はその白いベンチに腰掛け、ヘッドフォンを当てた。
時間は10分前。
ゆっくりと目を閉じたーーーーーー・・・
「中野!」
ビクッ
いきなり声をかけられたので背筋が伸びる。
ヘッドフォンを外した。
「ごめん、遅くなって。
待った?」
息を切らせて走って来た姿に答えようと見た時、
俺は息がつまった。
そこにいたのは、紛れも無い、加藤だ。
だけど、その姿はまるで別人で
凄く可愛かった。
「・・・?・・・・中野?」
「あ、いや。今来たとこ。」
ベタな台詞だけど本当にそうなんだ。
まだ時計は待ち合わせ時間の10分前を指している。
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