運命



ーーー放課後ーーー


教室から出て来た徹を呼び止めた。



「今、ちょっといい?」


「ん?
まあ、ちょっとなら・・・。」













またあの踊り場へと来ていた。



皆が来なくてちょうどいい場所はここくらいだろう。


下の皆の声は、別世界のようにも感じた。





「なんだよ?」


咲に言われたことを、試すことにした。


ーーー『告白されたこと、中野に言えばいいんだよ!

まだ返事してないって言えば、さすがに怒るって。』




「あのね・・・・・・?

今日の昼休み、佐伯に告白されたの。


それで・・・いきなりだったから、まだ返事してなくて・・・・・・。」



嘘つくと罪悪感に追われる。

表情を変えないまま、徹は口を開いた。



「何でわざわざ俺に?」


え?

「彼氏・・・だから?」



疑問系になってしまった私に対して、溜め息をついた。



「付き合えば?そいつと。」





< 69 / 85 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop