運命
「いや、そりゃお前。
バカだろ。」
「おいぃ。
そりゃねーだろぉ。」
「だって何もしてあげなかったんだろ?
彼氏、なのに。」
やけに『彼氏』を強調されて、うなってしまう。
だって、
どうしていいかわかんねーんだよ。
急に付き合うったって。
俺は佐々木が好きで、加藤は広が好きだったんだぞ?
今まで相談相手だったのに、彼女とか・・・。(自分から言ったんだけど。)
なんか、恥ずいし。
てか、俺も言ってねぇけど、加藤も『好き』だなんて一言も言ってねぇぞ?
あー、もうっ!
なんなんだよ!!
「・・・おーい、徹?」
俺の相談相手、雅也(まさや)に呼ばれ、我に返った。
「あっ?」
「また一人の世界かよ。
顧問呼んでっぞ?」
遠くから俺を呼ぶ怒鳴り声が聞こえた。
「うーわっ、やっべ!」
そ。
今は部活中。
結局加藤は見つからないし、(てか、帰っちゃったし)
部活は遅れてなぜか怒られてるし。
高校でももちろん部活を続ける俺は、
体がなまらないように後輩達と一緒にトレーニングしてる。
同級生でこの部活やってんのは、俺と雅也くらいだ。
俺は猛ダッシュで顧問のとこまで駆け寄った。
もちろん待ってたのは説教だったけど。
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