輪廻~“ミシュマシュ”
―第二説―
紀元前6世紀…
中世ヨーロッパ…
カツーン! カツーンカツーン!
ネイチェルは古びた都市で
鍛冶屋をしていた。
カツーンカツーン! カツーン!
今日も町中にハンマーの音が
響きわたる。
カランカランカラ-ン
鐘鈴のついたドアを開ける音。
「 ネイチェル 毎日毎日
精が出るネェ。
朝 ブレッドを焼いたから
良かったら食べておくれ。
…ココに置いておくよ 」
カランカランカラ-ン
オシャレなヒジャブを被った女性が
鍛冶屋から出ていく。
毎朝焼きたてのパンを持って
きてくれる女性にお礼の一言も
言わないネイチェル‥
ましてや挨拶さえも。
喋れないわけではない。
具合が悪いわけでも…
これは具合が悪いの部類に入るのだろうか…
ココロを閉ざしてしまっている‥のだ。