だって好きなんだもん☆

ガタン、と席を立つアタシ。


今はこの場から離れなければっ!
だって、アキラくんの顔まともに見れないし、
アタシ、絶対顔真っ赤なんだもーんっ!!



「ちょっとアタシ、トイレ!」


「おぅ」



疑う気なんてひとつもなく、アタシにヒラヒラと手を振りながら、ケーキに手を伸ばすアキラくん。


そのアキラくんの仕草にキュンとするアタシは思う。

あ、アキラくん可愛い〜…

ってちがう!!



……アキラくんは鈍感だ。


アタシ、絶対真っ赤なのに、

全然、気づいてないんだ。


それとも、アタシが気づかれてることに気づいてないだけ?



でも、どっちにしたって顔が真っ赤なのには変わりはない。


う〜……

ちょっと顔洗ってこよ……。


とりあえず、顔が真っ赤なのを直さなきゃな……



それからアタシは、(本当に)トイレにいって、手を洗うところの水で(人がいない時に)顔を洗った。


洗ったら、顔の火照りは少し冷めるけど、
“間接キス”をした―――ってことを思い出す度に顔がまた熱くなるから、冷ましても冷ましても、キリがなかった。



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