だって好きなんだもん☆


じゃりっ



……ん?

なんか今、後ろから“じゃりっ”って聞こえたよーな……?


聞き覚えがあるその音に、お弁当の中身をそっと見る。


…やっぱり!
卵焼きがなくなってる


「…アキラくん?不味いんじゃなかったの?」


その時、アキラくんの喉がゴクンっとするのが見えた。


「は?なにが〜?」


ニカッと笑うアキラくん。


……アキラくんのそういうとこ、好きだなぁ。

ちょっと意地悪だけど……さりげなく優しいとこ。


カレカノに…なれたんだなって、ちょっと実感。


ってゆーか…お腹壊さないよねアキラくん。



壊さなかったにしても、まずかったよね…よく食べれたなぁ。

でも嫌だよね。女の子なのに料理ぜんぜんできなくて。


「無理しなくてもいいのに……」


アタシはボソッと呟いた。だけど、アキラくんはアタシの背中にぴったりくっついているから、その言葉はアキラくんの耳にしっかり届いていた。


ぎゅむっ


「ふゃっっ!?」


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