だって好きなんだもん☆

そして、アタシがお姉ちゃんじゃないとバレることなく、その日のバイトは終わった。


「お疲れ様でした〜」

そう言って、アタシは店を出て、入り口のところで彼のことを待っていた。

ここで待っていたら、もしかしたら会えるかもしれないから……なんて、ちょっと乙女チックかな?


…にしても少し肌寒いな…
4月っていっても夜になると寒いなあ…上着、持ってくればよかったなぁ……


そんなことを思っていた時、「お疲れ様っした〜」と言いながら彼が店から出てきた。


き きた!

「あ あのっ!」

「へっ?
あ 綾乃か。どうした?」

―――綾乃………

そうだった…今は“実衣菜”じゃなくて“綾乃”だった……

“綾乃”は、こんなこと…しない…よね…


「あ ううん
なんでもいよっ?」

お姉ちゃんらしく振る舞わなきゃ…
そう思って明るく言ったはずなのに、少し寂しげになっていた。


「……お前さあ…」

「え?何?」


「本当に綾乃?」



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