マリオネット・ワールド <短>
努力は無限。
確かに無限だとは思う。
頑張るのは勝手だ。
だけど、そこには容量があって、オーバーしたらそこで終了。
勉強もスポーツも一緒。
基本は、生まれ持った才能なのだ。
同じ努力をしたならば、器は多い方の勝ちになる。
そして、幸い俺は、努力の才能にはそこまで恵まれなかったが、器の大きさには恵まれた。
そのおかげで、俺は今がある。
ただ、ここまで何もかもが順調だと、たまには山も谷も欲しくなってしまうというのは、
ないものねだりの贅沢なところなのだろうか。
そこが、人間の愚かな感情なのだろうか。
だからといって何かを実行するわけではないその緩やかな衝動は、
俺の脳内で渦巻くだけの、些細な願望。
だけど、求めてしまう。
それが何かはわからない。
何か、刺激が欲しい。
なんでもいいから、欲しい。
心をエグるような、何かが――