マリオネット・ワールド <短>
――鳴海 悠
鳴海 悠(ナルミハルカ)。
文学部2年。
私は、矛盾だらけの世の中のシステムを、つくづくバカらしいと投げ出す女。
人権?
ボランティア?
あぁ、くだらない。
景気予想?
総理大臣の支持率?
そんな漠然と遠いものなんか、知るか。
他人のイロコイ。
自分の評判。
興味ない。
別にどうでもいい。
何もかもがバカらしい。
世の中全てアホらしい。
欺瞞だらけ。
この世に正しい答えなんて、存在しない。
正直はただの無神経。
嘘は自己防衛。
どっちがいいことなわけ?
不正解の反対が、正解とは限らない。
裏側だってまた、間違いだらけなのだ。
まぁ、正解なんてどうせないんだから、どっちだっていいけど。
だけど、正しく飾り付けられた世間を、美しいと思えず、周りのように楽しめない自分は、
それはそれでバカだし、だいぶ損をしていると思う。