マリオネット・ワールド <短>
まぁ、どちらにせよ、誰の目から見ても、
この女子高生達と男女が相容れない関係にあることは、容易に理解できた。
そして、男と女は、似ている。
しかし、似ているからこそ、より交わらない平行線を辿り、
この二人が手を結ぶことは、未来永劫、確実に起こりえないことだろう。
幾駅か進み、女子高生達は、ひとり、ふたりと、次第に減っていった。
最後の一人になると、ひとりぼっちになったその女子高生は、
動きっぱなしだった喉を引き締め、別人のようにおとなしくなる。
表情筋を固めて、制服のポケットから手慣れた手つきでイヤフォンを取り出し、
もう片方のポケットから携帯電話を取り出すと、指先以外は列車の動きに身を任せるようになった。
やがてその女子高生も、速度を緩めた電車に気付き、スッと立ち上がると、
まるで、何かに操られるかのように、終点ひとつ手前で降りていく。
残ったのは、
始まりの男と女――