君のNo.1 ~出逢い~


奥の部屋に入ってあたしを下ろすと

助けてくれた人はどこかへ行ってしまった

女の人は震えるあたしの手をさすり

優しく微笑んだ


「あたしは絢( ア ヤ )よろしくね。さっきのあいつは聖来( セ イ ラ )。あたしの甥っ子。」


そう言いながら

あたしのシャツのボタンを閉めて

怪我の手当てをし始めた


「思ったより浅いから、この位の傷ならすぐ治りそうだね。」

絢さんはあたしの頭を撫でてくれた

絢さんの優しさに安心して

急に涙が溢れてきた

そんなあたしを優しく抱きしめて

大丈夫、大丈夫となだめてくれた


< 70 / 96 >

この作品をシェア

pagetop