―Destiny―

■ 槙村先生



退屈な午後の授業。

ラーメンとチャーハンでお腹いっぱいになったあとは、容赦なく睡魔が襲ってくる。

頬杖ついた手のひらに乗せた顎が何度もカクンと外れ、そのたびにハッと目が覚める。

睡魔と闘い続けた午後の授業は苦痛そのものだった。



「柚ー、明日こそは一緒にお弁当食べようね」


「うーん……、努力してみる」



一日の授業から解放されると、親友の真菜がカバンを抱えて飛んできた。

お昼になると、友情よりもラーメンを迷わず選ぶあたしに真菜は愛想を尽かしていた。



「柚ー、いいかげん学校抜け出して【来来軒】行くのやめなよ」


「それは無理っっ!」


「あんた、また槙村から呼び出しくらうよ?」


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