―Destiny―
■ 奏汰の家族
――翌日、目が覚めたのは十時過ぎ。
寝ぼけ眼でキッチンに行くと、お父さんとお母さんはすでに会社に行った後だった。
夏休みに入ってから、あたしが起きるのはいつもこの時間帯。
お母さんが準備してくれた朝食を食べながら、携帯をカチカチと指で操作していると、タイミングよくメールの着信があった。
奏汰からのメールだった。
【おはよう。今日、ヒマ?】
かじっていたトーストをお皿に置いて、すばやく返信メールを打ち返す。