―Destiny―
「……へっ!? お母さんっ?」
「……あぁ」
なんだ。そういうことじゃなかったんだ。
お母さんと会わせることが目的だと知って、あたしは肩を小さく落とした。
だけど、それもほんのつかの間……。
我に返ったあたしは……。
奏汰とそういう関係になることよりも、
お母さんに会うことの方が格段に緊張してしまうことに気づく。
「ちょっと待って。心の準備が……」
「そんなに緊張するほどの相手じゃねぇよ」
何度も深呼吸するあたしを見て、奏汰は呆れたように笑った。